『仲間由紀恵さんの美しさ』
東京台場の出版社に勤務する在日韓国人の美香(仲間由紀恵さん)と、品川の倉庫作業員の亮介(和田聰宏さん)は出会い系サイトを通じて知り合う。2人の出会いと恋愛の行方には、美香の母(優里)が若き日にした恋愛と運命的な繋がりがあるのだった…。
日本人は、「韓国」という言葉に対して、妙に敏感に反応する傾向があると思います。政治・スポーツ・エンターテインメントの世界に「韓国」の人やモノが登場すると、急に斜に構えた客観性にかける見方をしてしまうことがあるように感じます。本作も在日韓国人と日本人の恋愛という繊細な話題を扱ってるため、評価が大きく二分しているのではないかと思います。
内容としては、運命的な出会い・2人の恋愛を阻む様々な障害・事故発生といった、いわゆる韓流ドラマ調のストーリー展開が目に付いてしまい、新鮮さを感じられません。また、前半のゆっくりとした展開に比べて、後半になって立て続けに多くの新事実やアクシデント出てくるせいで、ラストの方はとても慌ただしさの残る仕上がりだったことも残念です。一方で、本作での仲間由紀恵さんは「トリック」などで見せるコミカルな演技などを封印して、クールさを前面に出した演技をしており、その美しさには目を引かれるものがありました。また、和田聰宏さんは、情熱を内に秘めた青年役がよく似合っており、「目ぢから」のある俳優だという印象を受けました。キャスティングには全く不満はありませんが、ストーリーが二番煎じである点が残念なところです。